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幸せな家庭のカタチを考えるブログ

ストレスに負けない子育ての習慣

子どもの発達には親子の愛情が大切と言われながらも、甘やかし・しつけの強度に悩んだり、育児ストレスで疲弊する親御さんも多いのではないでしょうか?


2019年11月に縮約版が出た『メンタルが強い子どもに育てる13の習慣』を通じて、育児の価値観を見直すポイントをご紹介いたします。

本の概要

30言語に翻訳され、5000万人以上の人に読まれた「13 Things Mentally Strong People Don’t Do(メンタルが強い人がやめた13の習慣)」著者のAmy Morinの育児に関する本です。

「メンタルの強い子に育てるには、親がメンタルを強くすることが大事」というコンセプトで、親が知らず知らずの内にしてしまっている悪習を紹介しています。習慣ごとにソーシャルワーカーでもあるAmyの扱ってきた事例・具体的なチェックリスト・改善に必要な方針が書かれていて、とても有用でした。

以下に、習慣ごとに大切だと感じたポイントをまとめました。

  • 01:わが子に被害者意識を持たせない
    自分がかわいそうと思い込むことで、他人に自分の機嫌を取らせるようになったり、自分でできることに目を向けられなくなってしまう。親が愚痴をやめてポジティブでいること。自分が不当な目にあった時は毅然とした態度を取ることで、子どもも見て学んでいく。

  • 02:罪悪感で甘やかさない
    親が罪悪感を持つのは、自分の行動が価値観に反していたり、完璧を求めてたり、悲惨すぎる未来予測をしているサイン。子どもに悪影響を与えないためにどんな行動を改めればいいか見直し、ほどほどの育児を目指す。

  • 03:わが子を世界の中心にしない
    子ども中心の中で生きた子は、自分本位に振る舞うようになる。健全な自尊心と自己愛に適切な境界線を引くことが大切。そのために思いやりのある行動や結果に対して、他の人が喜んだ事実や努力を褒めてあげる。

  • 04:過保護にならない
    子育ての方針を色んな恐れに左右させると、子どもが危険から身を守るスキルを習得できない可能性がある。冷静にリスクを判断できるように事実を捉えたり、「子どもにやらせないリスク」を考える。

  • 05:わが子の言いなりにならない
    権限を与えすぎることは子どもにも悪い影響がある。子どもに家庭をコントロールされないように、ルールを明確にし、親と子の境界線を明確にする。

  • 06:完璧を期待しない
    親の期待で子どもを追い詰めてはいけない。本人の能力を超えた期待をすることは自死のリスクを上げる。現実的な期待をして、努力する姿勢を褒める。批判をする時には褒め言葉とサンドイッチ。

  • 07:わが子の尻ぬぐいをしない
    親がフォローしすぎることは子どもの健全な責任感を醸成しない。親が責任を果たす姿を見せて説明したり、家のお手伝いをさせることが、1人で責任感を果たす大切さを学ばせる。

  • 08:わが子を苦しみから守らない
    子どもが悲しまないように嘘をついたり、本当のことを伝えないことは、苦しみに耐える打たれ弱さを身につける機会を奪っている。事実にゆるいフィルターをかけて伝えたり、苦しみの受け入れ方とそこから学ぶ方法を伝えることが大切。

  • 09:わが子の機嫌を取らない
    子どものご機嫌を取り続けることは、本人の感情コントロールや社会的スキル習得に悪い影響がある。どんな出来事にどんな感情を持つのか伝えたり、子どもの感情を言葉で伝える。脳内のチャンネルの変え方を親が学ばせてあげる。

  • 10:わが子の失敗を防がない
    子どもが失敗しないようとする親(ヘリコプター・ペアレント)を持つ子どもは、目標達成のための行動が取れなかったり、うつ病健康被害のリスクが高い。他人への被害や危険をもたらす失敗以外は、本人の学びのチャンスとして捉える。

  • 11:しつけとお仕置きをはき違えない
    体罰や厳しい罰を与えることは、子どもが攻撃的になり問題行動を悪化させたり、心の病を抱えるリスクを高める。親のぬくもりを感じられる環境やシンプルなルールを通じて、子ども自身が自制心を身につける。

  • 12:とりあえずの解決に走らない
    子育てで不健全な近道をすることは、長期的な悪い影響をもたらす。エネルギーを充電して、子育てに望む。子どもには近道のメリット・デメリットをちゃんと伝える。

  • 13:自分の価値観を手放さない
    親が価値観を見失うと、子どもも混乱する。自分の失敗を認めたり、どのように重要な判断をしたのか説明することで、価値観を持つことの大切さを子どもにも教える。

子育てに求められるバランス感覚

本書で改めて感じたのは、健全なバランス感覚を持つことの大切さです。

項目だけ捉えると矛盾と思える点もあると感じた方もいるのではないでしょうか。そんな混乱を招かないために親がブレない価値観をもち、子どもの発達に合わせて適切に関わり合うことは、一朝一夕でできることではありません。完璧を目指さず、それでも子どもとの関わり方を見直し続ける努力が求められます。

仕事として人材開発を、またシングルファザーとして家事育児をする私としては、子育ての難易度はビジネスにおける後輩指導・育成と同様、目標によってはそれ以上だと感じました。数値目標も設定し辛く、定性評価を是とする子育てだからこそ、大人としての成長機会がたくさんあるのだと痛感しました。

私も子どもの成長機会に一番タイミングよく指導できる「親」という立ち位置を活かして、健全な視点を身につけていこうと思います。