2歳ワンオペ育児を乗り越える心の整え方
シングルファザーです。最愛の妻と死別して4ヶ月が経ちました。ここではこの悲しみの向き合い方に触れませんが、それを差し引いても仕事しながら一人で子育てするのはとてもチャレンジでした。
というわけで最愛の娘が2歳になったこともあり、ワンオペ育児で心がけて良かったことを振り返りました。
怒りをコントロールする
子育て時も感情的に怒ることをやめました。脳科学ベースの育児書*1に「脳が我慢できるようになるのは2歳以降」と書いてあったので、娘がどんなに私の期待しない行動だとしても「そういうもんだよね」と思うようにしました。
なんて言うのは簡単ですが、以下2つの理由から取り組むのがとても大変でした。
- 怒りをどうコントロールするか?
- 怒らないとワガママな子に育たないか?
2は現時点ではとりわけワガママに育ってないのと次のパートで詳しくお話するので、ここでは1のコントロールについてお話します。
私は知人からも短気だと言われるタイプだったので、いくつか本を読み、とにかく練習しました。参考図書は脚注に掲載しますが*2*3、特に有効だったのは下記2つです。
ゆっくり6秒数える
本の中ではディレイテクニックと呼ばれています。怒りたいことから頭を切り離すために、何も考えずに、本気で、6秒数えるのです。
財布のお金がぐちゃぐちゃに撒き散らされようが、牛乳がゆっくりカーペットにしみこもうが関係ないのです。考えるのをやめるのです。
怒りの根本にある信念を見直す
アルバート・エリスのABC理論を参考にしました。人間はAffairs(出来事)をBelief(信念)で解釈し、Consequence(結果)となる行動します。なので自分の行動を変えたい時は解釈するBelief(信念)を見直してみよう、という論理情動療法の概念です。
自分がなぜ怒るのか考え、怒りの根本にあるか「自身の信念」をコントロールするようにしました。
怒っちゃうABCと怒らないABCの例です
怒っちゃうABC
A(出来事):娘が笑顔で牛乳をカーペットにこぼす
B(信念):食べ物は大切にするべきだ。またカーペットも汚すべきものではない。これからそういう子になってほしくない。
C(結果):娘を怒る
怒らないABC
A(出来事):娘が笑顔で牛乳をカーペットにこぼす
B(信念):発育のプロセスで子どもは食べ物に関心を持ち、食べ物で遊ぶ行動をする。悪意はない。だいたい治るはずだ。少なくともうちの職場にはそういう人はいない(はずだ)
C(結果):あやしながらカーペットを拭く
というわけで一切怒らず育てました。あと溜まるストレスは人・仕事・本・音楽で解消しています。5月にIT資格*4 2つ取ったりしてました。知的防衛
将来の不安をコントロールする
だっこ、おかわり、もっとあそぶ。基本的に本人が望むことにオールOKでいきました。OKし辛い時もできるだけOKするために自分が取り組めることを行う。
でも発達が他の子より遅れたら、と心配になりますよね。「わがままになったらどうしよう?」「これがずっとできないと大きくなってから苦労するのではないか?」という根拠のない不安を、私は頭から徹底的に排除しました。いつだって手遅れになることなんてない、と信じました。
子供を信じて愛着形成する
そう信じるための前提として発達心理学を独学で勉強しています。そして子どもの発達に重要なのは、愛着*5が形成できることだと考えました。
愛着、いわば親子の絆が正しく形成されれば言葉が伝わるようになってから何だって話せるし、そのためにも今は彼女を信じて、とにかく望むだけ愛を与えることが一番大事だと考えました。
その際に意識したのは、児童精神科医で小児療育相談センターで働かれていた先生の書籍*6の言葉。過干渉(親が与えたいものを与える)ではなく過保護(子が望むものを与える)でいられるように意識しました。自分の想像するいい子を本人に求めすぎないようにしました。
周りの人と育つということ
ワンオペ24365は不可能なので、積極的に支援をお願いしました。親、友人、保育園、ショートステイ、地域の保健師さん、児童相談所、乳児院と多くの皆様にお世話になっております。
ただ育児支援は身近な人ほど精神的な難易度が上がるんですよね。どうしても自分の育児方針を押し付けたくなってしまう。お尻の吹き方、ご飯の食べさせ方、子どもへの声かけ方まで気にし出すとキリがなくなってしまい、方針がぶつかった日には超疲弊してました。
ただこの件は、乳児院の院長さんの言葉で心が軽くなりました。
「子どもは環境から自分の好きなものを選んで育つし、多くのものに触れた子は心が豊かになる。だからお父さんも抱え込みすぎなくてもいいのよ。」
「たくさんのものに触れて豊かな子に育ってほしい」と思いながら「子どもを自分が正しいと思える方法のみで育てたい」という私の中の矛盾に気が付きました。そうですよね、子どもも一人の人間であり、言ってしまえば勝手に育ちます。
このメッセージに共感してから、他の方に見てもらう時に心から「お任せします」と思えるようになりました。
おわりに
怒りと将来への不安をコントロールしながら、おかげさまで娘は順調に成長しています。
娘が重い病気にかかり*7、妻がこの世を去ったこと。それらの出来事と娘の幸せになる権利には全く関係がありません。娘が成長して、自身で幸せを見つけてもらうために、これからの時間を大切にしていきます。
大変かつ大切な育児。この記事が正解のない育児と真剣に向き合っている方の励みになれば幸いです。
【おまけ】これからの自分の話
娘の闘病、うつ病家族、リモートワーク、妻との死別、ワンオペ育児。この体験を通じて自分の中で確かめたいことができています。
それは「幼少期における家族の関わり方」と「思春期までの自分との向き合い方」が人に与える影響の重要性です。
全ての人が辛い経験に囚われず、前向きに生きられる。そのために私にできることを探して発信していきたいと思います。
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