Talking Machine

幸せな家庭のカタチを考えるブログ

営業だってエンジニアリングしてる

わからない事と向き合う事は不安だけど、向き合わない事は責任放棄だ。じゃあどうすればいいの、その解決方針が書いてあるのが「エンジニアリング組織論への招待」でした。
 
この本と出会ったきっかけ、参考になった考え方3つをご紹介します。
 
 
 

きっかけ

ゆのん@会えるVPoE (@yunon_phys) | Twitterさん*1がやっているEM.FMというPodcastからこの本を知りました。
 
私はIT人材育成の営業なので、エンジニアリング組織開発を理解したくてこの本を買いました。結論、エンジニアどころかIT業界以外の人にも大事な要素ばかりでした。
 

ポイント

  1. エンジニアリングは不確実性を減らす事
  2. 経験主義と仮説思考
  3. 全体論とシステム思考
 

1. エンジニアリングは不確実性を減らす事

エンジニアリングとは、つまるところ、「実現 」していくための科学分野

 

誰かの曖昧な要求からスタートし 、それが具体的で明確な何かに変わっていく過程が実現で 、その過程のすべてがエンジニアリングという行為
 
エンジニアリングはわからないもの(不確実性)をわかっている(確実性)状態にする事でその差を埋めるのは情報。不確実性と向き合うのは不安だが、私たちは未来と他人という不確実性から逃れられない。
 
エンジニアリングってエンジニアだけがする事じゃないんだなって、目から鱗でした。こう捉えると、顧客の要望を具体化するプロセスにおいてはソリューション営業もエンジニアリングしてますよね。サービスの一環である事を改めて認識しました。
 
あと不確実性のコーンと経営層の曖昧な指示の話が面白かったです。
 

2. 経験主義と仮説思考

神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えて下さい。
ニーバーの祈りでもありますけど、変えられるものと変えられないものを見分けるのって難しいですよね。
 
経験主義では、「行動できることは何か 」と 「行動の結果起きたことを観察できるか 」という 2点が重視されます。コントロールできるもの、できないもの。かつ観測できるもの
 
すべての情報が揃っていないのだから 、より問題をはっきりさせるためにはどのような 「次の一手 」を打てばよいのか考える
 
数少ないデータから大胆に顧客のインサイトや仮説を推論し 、それが正しいのかという不確実性を検証するための行動をとるというのが重要なこと
 
結果は観測できるようにしないといけないんですね。目に見えないものが大事とか定量評価できないとか、逃げてた自分に反省しました。
 
あと「お客様の要求が曖昧なので提案できない」とか言う人は本当に死んだ方がいいですよね。ごめんなさい言い過ぎました。
 
 

3. 全体論とシステム思考

全体の関係性が見えれば対立は解消する
 
何かの対立が発生したときというのは 、その対立の当事者全員が 、少しずつ正しく 、少しずつ間違っています
 
私たちができることは 、対立に見える問題を 、対立にならない全体像をあぶりだすことと 、その解決を個人の問題にせず 、関係性の問題に変換して 、本当の問題を発見することです 。
 
役割分担されていると営業とサービス部門がぶつかることってよくありますが、互いの問題認識が違うかもしれないと改めて勉強になりました。
 
またB/SやP/Lとビジネスモデルの関係性にも触れており、とても参考になりました。
 
システム思考やビジネスモデルキャンバスなど全体像を理解するフレームワークは色々ありますが、何を使ってもあくまでその視点でしかないのかもしれません。
 

最後に

この本では問題解決より下記3点が難しいと伝えています。
 
  • 問題認知
  • 問題の明晰化
  • 問題発見
 
すごく同意すると共に、私も日々の仕事でエンジニアリングできるよう思考していこうと思います。
 
また上記は全5章の内の第1章抜粋版になります。ご興味お持ちいただいた方は是非、原著をお読みください。
 

*1:出会い系ではない